むかしのはなし
チアーヌ

むかし
街外れにあった
ログハウスみたいな喫茶店で
冬になりかけた秋の日
あなたと二人
熱いコーヒーを
挟んで

何も考えていなかった
でも永遠だとも思わなかった
そのころは恋愛関係の
ことなんか
よくわからなかったから

関係は
長く続く場合と
続かない場合があって
恋愛関係というのは
その中でも特に
続かない場合が多い関係である
なんてこと
考えるほど
のこともなく

その喫茶店は暖かくて
静かで
こぽこぽと音がして
そして
窓の外には
冬が近づいてきていて
わたしとあなたは
外に広がる林を見つめ

しあわせだった


自由詩 むかしのはなし Copyright チアーヌ 2004-10-14 13:34:44
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