猛暑
照留 セレン
太陽光線の当たるところからボロボロと
劣化していく不安から
上着を重ね 傘を差し 手袋をつけて 歩く
汗は血から出来ているのだから
汗を流す私の体は溶けているに違いない
溶けた私はシャツにしみこんでやがて冷たくなっていくサイクルを繰り返す
携帯式の小さな陰はアスファルトの照り返しに対して全くの無力である
乾いた喉が求める水分はいつも生ぬるく
少し痛んだような匂いをしている
辟易して自販機に向かい
百五十円で贅沢を買う
自由詩
猛暑
Copyright
照留 セレン
2010-07-24 22:13:52
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