あなたの庭
まひ


スーツが似合うようになりましたね
わたしは褒めているのではないよ
代わりに隠してしまったあなたの素顔が
しかたないさとため息つくから

あの誰にも壊せなかったあなたの庭を
閉ざした扉は何色ですか
かつて わたしとあなたの午後は
その居心地の良い庭で

椅子に座ってお茶を飲み
そういえばこんな話を聴いたよ
いつか南の島へ行きたいね
そこではただ生きていられそうだから

まぶしそうに細めた瞳は
遠いあこがれと本当のあなたとの
そのあざやかな輝きを見据えてた
照らしていたのはあなた自身の庭なのに

それでもわたしはあきらめないよ
閉まった扉が頑丈であっても
わたしは合鍵を作ってみせます
あなたの素顔が消えないうちに




自由詩 あなたの庭 Copyright まひ 2010-07-24 02:37:01
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