にがお絵
まひ



もう絵はやめた
そう言っていたあなたが

鉛筆を一本買ってきた
照れ笑いを浮かべながら

これだけで描けるものを
それが今の気分なんだと

紙を忘れてしまったと
やっぱりちょっとぬけている

それから煙草の包み紙を
ていねいにほどいて描きはじめ

それはわたしの顔だった
それはわたしの宝物として

今も手帳に挟んであります
ぜんぜん似てはいないけど




自由詩 にがお絵 Copyright まひ 2010-07-23 16:39:56
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