今夜とあるバーで
どぶねずみ男

ひとつ!
人気作家は出版社の許可なくして死んではいけない!

気分良く飲んでいた「笑えるプロレス技」という設定で話していた。
隣の奴が絡んできた、まるでカニ2000匹を相手にしているようなねちっこさだ。
「表へ出ろ!」ということになった。

酔っぱらいにパンチやキックは効かない、痛くないのである。
こんなときは関節技がいちばんだ。

スコーピオンデスロックでギブアップさせた。ギブアップ料2万円を
ふんだくってやった。そのままバーの勘定を払わずに出ていった。
後で警察なんか呼ばれてはたまらない。

この2万円で別の店で飲み直しだ。たこ焼きなら600個は買える。
とりあえず、梅田の料亭でフグどついたった。
梅田は兎我野町から天満橋へ。いつもこんなことをしていたなぁ。
バイクなしの一日だけのイージーライダー。

バーのトイレで鏡を見た。
1発くらいは殴られたのか。目の下に青あざができている。

明日は出版社に顔を出さないといけない。何か面白い作り話を考えないと。
「いきなり竹薮から出てきたベトコン1号に頭突きされた」ことにしよう。

かくれんぼ。
どこかで息を潜めて復活の時をまってるんだろ、きっとそうだろ。
また一緒に飲もう。

産地直送のカニを売っていた、2000匹ほど買うたろか。。。


<2004年10月14日、中島らも追悼ライブの日>



自由詩 今夜とあるバーで Copyright どぶねずみ男 2004-10-14 01:57:20
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