【連詩】 星降ると、繭
古月

行き過ぎて ふと振り返る 向日葵の黒
路面電車の響きにそして 忘れるということは
始まり 終われなかった 風のまにまに
匂う いつも通り過ぎてから気づく
ほかに ほしいものなんて な、い
並行のまま 果てまで うしなったから
とぎれとぎれ
散ってはふたたび芽吹いて行く 失くしたのは朝のひかり
律動 あるいは夜の
塗り込められた わななき
縷々、 いのち、を
わたしから うばわないで かみさま あのひとを
顔はきちんと ばらばらにしてほしい
夜に紛れて、蠢いて 予感だけ香る


自由詩 【連詩】 星降ると、繭 Copyright 古月 2010-07-21 22:25:06
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