曇りのち晴れ
かのこ

北西からの冷たい冬の風
少し青空が覗けているけれど
私の頭上、分厚い雲はまだ去らない
大人だから、辛いときも耐えなくちゃ、ね

誰もなんにも言ってはくれないけれど
守られる前に守ってもらう気でいちゃだめだよね
あのひとは厳しい顔つきで言っていた
みんなそうやって今をやり過ごすしかないんだから

季節が巡り、またひとつ年を重ね
きっと私も少しは変わったと思う
今だから笑って話せることもある
けれど私の心はまだ晴れないまま

あともう少しだけ風に吹かれて
強く、強くなれたらと思う
常に頑張るのが当たり前というのなら
報われない日だってあるはず

疲れたときには泣いて
となりにあのひとはもういないけれど
風向きが変わったのなら
きっともうすぐ晴れになるから

できれば見届けてほしかったな
たとえ雨に立ち止まることがあっても
いつかはまた踏み出さなきゃいけないから
思いがけず春が来たら、もう忘れているよ


自由詩 曇りのち晴れ Copyright かのこ 2010-07-21 01:20:52
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