曇りのち晴れ
かのこ
北西からの冷たい冬の風
少し青空が覗けているけれど
私の頭上、分厚い雲はまだ去らない
大人だから、辛いときも耐えなくちゃ、ね
誰もなんにも言ってはくれないけれど
守られる前に守ってもらう気でいちゃだめだよね
あのひとは厳しい顔つきで言っていた
みんなそうやって今をやり過ごすしかないんだから
季節が巡り、またひとつ年を重ね
きっと私も少しは変わったと思う
今だから笑って話せることもある
けれど私の心はまだ晴れないまま
あともう少しだけ風に吹かれて
強く、強くなれたらと思う
常に頑張るのが当たり前というのなら
報われない日だってあるはず
疲れたときには泣いて
となりにあのひとはもういないけれど
風向きが変わったのなら
きっともうすぐ晴れになるから
できれば見届けてほしかったな
たとえ雨に立ち止まることがあっても
いつかはまた踏み出さなきゃいけないから
思いがけず春が来たら、もう忘れているよ