金平糖の角
西天 龍

壊れた心、臓物のように引きずって
子供たちが地下鉄から降りてくる

例えば
真夏の入道雲や
金平糖の角
モクモク伸びて
ピカピカ光り
妙に尖がっていて
先っぽで転がっている

そんな子供の心の大切な凸凹に
誰がカンナを掛けてしまったの?

野原の夏草は
伸び放題で勝手になびいているようだけれど
高みから見れば美しい風紋
同じように
子供たちも生きる力を、生き抜く力を
風と土と大気からもらっていたはず

伸びしろを「従順」に預け
いのちの輝きを「将来」に渡した
地下鉄の子供たちに
野原を返してあげて
お願いだから


自由詩 金平糖の角 Copyright 西天 龍 2010-07-21 00:41:53
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