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プル式

十年、こもった
もう良いかと思った十一年目の春
伸びた髪の毛が邪魔だった

二十年、こもった
意を決した二十一年目の夏
世界の熱量に敵わない気がした

三十年、たった
重い腰をあげた三十一年目の秋
ずり落ちそうなズボンが気になった

四十年、過ぎた
本当にこれ以上はと四十一年目の冬
季節外れの暖かさに寝過ごした

そしてもう、五十年になる
もう出たい気もするのだが
どんな顔をしたものか
フン切りがつかない。


自由詩 WC Copyright プル式 2010-07-19 21:10:54
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