冷奴
たもつ
豆腐がテーブルの下に入ったまま
出てこようとしない
いくら呼んでも
何の反応もしないでじっとしている
仕方なく椅子をどけて
自分がテーブルの下に入る
特に豆腐に恨みがあるわけでもないが
冷奴にして食べる
しんみりとした夜
自分も豆腐もこんな暗闇の中から
生まれてきたのかもしれない
そう思うと懐かしく感じられて
いつもよりたくさん膝を抱える
自由詩
冷奴
Copyright
たもつ
2010-07-19 20:36:01
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