海の日の女
はだいろ

何もしなかった三連休に、
フットプリントを残そうと、
ぼくは、デリバリーヘルスに電話をしました。

(デリバリーヘルスの語源は不明ですが、
ピザやお寿司のように、
ある電話番号に電話をして、
女の子を時間単位で届けてもらう、というシステムです。
通常、
60分〜100分くらいで、
東京だと、1時間一万七千円くらいが相場です。
交通費を別途2000円〜3000円、
さらに、特定の女の子をHPの写真で見て指名すると、
指名料というものが2000円くらいかかります。
一度呼んだ女の子をもういちど指名することを、
本指名といいます。
たいていのお店では、本指名料というのがあり、
つまり、気に入った女の子ができると、
失敗しないかわり、
料金もかなり高くなる仕組みです。
よくできています。)

40過ぎて、
デリヘルにはまった。
しかし、ある程度、確信犯的ではある。
はまっていいのだ。
地獄に落ちたいんだよ。
貯金なんてくっだらないよ。
老後の幸せなんていりません。
2000万円がどうした。
一億五千万円がどうした。
そんなの、欲しいものがなかっただけじゃないか。
ぼくは女の子が好きだ。
大好きだ。
いままでまったく、モテなかったけれど。
風俗に行かなかったのは、
なんとなく、自分のコンプレックスのせい、だったと思う。
自分に対して、自分でコンプレックスを持っているのだから、
ばかばかしい。

いろんな女の子に、おちんちんを見せて、
ぼくは、
ぼくのそれが、だいたい100人中、
四番目くらいに立派であることを知った。
・・・・・・
それで、去年から、今年にかけて、
160万円くらい、費やして、
60人くらいの、
女の子といちゃいちゃした。


デリヘルはいいよ。
ほんとうに、なにがヘルスなのか、
まったくわからないけれど、
健康にいいのは確かかもしれない。
電話して、女の子を待っているときの、
ドキドキ感は、素晴らしいものだ。
女の子の足音がして、
ドアの覗き穴から、女の子をのぞき見るのは、
ぞぞっとするほど楽しい。
そして、ドアを開ける。
たいてい、がっかりする。
(これを、いわゆるパネマジといいます。
ぼくもさいしょは、ハンパねーマジで、
の略かと思いましたが、そうではなく、
パネルマジック、の略だそうです。
これも意味不明ですが)
だけど、たまに、ほんとうにたまにだけど、
たしかに。
衝撃を受けるほど、可愛い子が来たりする。
ほんとうだ、若者よ。
きみの彼女より、はるかに、美しい女の子だ。
だけど、若者よ,君はまだ若い。
だから、まだデリヘルを呼ぶのは早いよ。
実際、デリヘルの女の子は、若い子をいやがります。


ぼくはいつからか、
女の子のランク付けをして、
容姿、プレイ、相性、総合、で、
Sから、Eランクまで、
エクセルで記録を付け出した。
その時間だけは、どんなにブスで、どんなに祖末で、
どんなに相性の悪い女でも、
愛そうと努力した。
もちろん、できないときもある。
まるで、立たないこともある。
(これもまた、別の機会に話そうと思いますが、
ぼくは4分の1に割ったバイアグラを愛用しています。
バイアグラはほんとうに素晴らしい薬です。
ノーベル賞を与えるべきです。)
それでも、時間内は、
払ったお金で、
相手をしなければいけない。
人生も、まさしく、同じである。
結婚したことはないけれど、
きっと、結婚も、
同じなのだろう。


そうだ、
今日呼んだ女の子について、
書こうと思ったのだった。
エクセルの記録では、AだとかCだとか、
記号の記憶しか残らない。
でも、ぼくは、そうじゃなく、
デリヘルの女の子だって、ひとりひとり、
きっと、詩になるのではないだろうかと、そう思ったのです。


今日は真夏日、
写真でぱっちりお目目の可愛かった、
身長149センチのあいちゃんを指名した。
(お店や女の子の特定は避けるため、
すべて仮名です。
もっとももともと、仮名だろうけれどさ。)
でももう、
今日は書くことはなくなった。
あいちゃんは、
とてもちいさな子だったけれど、
ロリ系ではなく、
ちっちゃなおとな、っていう感じで、
おしりやあそこがとてもきれいでした。
ぼくの部屋にテレビがないので、
静かだね、
と言った。
静かなのが好きなんだ、
とぼくは言った。
やることをやったあと、急に無愛想になって、
ドライヤー使っていい?
と言って、ドライヤーで髪をかわかした。


ぼくはFM東京をつけると、
「なごり雪」のカバーが流れた。


ときがゆけば、春がきて、
あいちゃんのあそこも、
去年よりずっと、
きれいになるんだろうか。
それとも、
ずっと・・・
そんなことを考えて、
せつなくもなった。


お別れにキスをして、
ちっちゃなからだをぼくがめちゃめちゃにした、
あいちゃんは行ってしまった。
二度と会うことはない。
ぼくのこころのゆきさきは、ぼくにもわからない。
ただ、あの子のおしりにぼくのおちんちんをこすりつけているとき、
ぼくは退屈じゃなかった。
それだけでも、
ぼくは彼女にこころからの感謝を捧げる。


また、
女の子を呼んだら、
書こうと思う。
いろんなことを考えるとき、ぼくはすべて、
けっきょく、Hなことしか、考えていないのかもしれない、と思う。
だから、いくらでも書けると思う。
読んでくれた人、どうもありがとう。
次回をお楽しみに。
(もし不快な気分になった人がいたら、ごめんなさい。
次回からは読まないでください。)




自由詩 海の日の女 Copyright はだいろ 2010-07-19 19:42:46
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