一本線
うずら豆

子供の頃
熱が出ると決まって
同じ夢を見た

一本の線の上を歩いてる
やがてその線は
ぐしゃぐしゃと伸び
僕の体に絡み付くのだ

そこで目が覚める
汗でじとっとした体が
とても不快だった

その夢は恐ろしかったから
不快な目覚めでも
ほっとしたものだ
夢から解放されたから

いつからか
その怖い夢は
見なくなった

僕の怖い夢は
現実世界に
変わっていた

目覚めても逃げられない
本当の悪夢に


自由詩 一本線 Copyright うずら豆 2010-07-16 14:58:12
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