魚と皿と
番田 

パンを焼くと
私の体は 寂しい
パンが胃を満たすけれど
私だけは うれしくはない

私は 風車の 遠くで
小麦の匂いを嗅いでいる
釣れるポイントの遠くで
名前としてすら 忘れた

魚の跳ねる様子を想像する
フトンの中で 一日が終わらない
日の出の太陽など 見なかった
私は営業マンだった


一日中かけずり回っても
部屋に帰ることはできないけれど
私は意志を曲げることなく
部屋に 帰る


自由詩 魚と皿と Copyright 番田  2010-07-16 02:08:22
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