ボーダーラインを消していく
なき

透明な煉瓦の壁をよじ登る 淋しい顔のアネモネの咲く


5センチの距離がただただ遠かった 手を掴もうと力をこめる


ペディキュアは必ず赤と決めていた 戦う心がめげないように


弱いままあなたの傍にいたかった 冷たい指で瞼をなぞる


爪先でボーダーラインを消していく 地図はいつでも丸めて使う




短歌 ボーダーラインを消していく Copyright なき 2010-07-16 01:44:22
notebook Home 戻る