ロマンティックが止まらない
花形新次

ロマンティック
その瞬間が
ロマンティック

君が瞳を閉じて
僕に顔を寄せたとき
君の左の鼻の穴から
ちらりとのぞいた
鼻毛一本
てっきり「これ抜いて」
の合図かと思った僕は
左手のお父さん指とお母さん指に
全神経を集中して
一気に引っこ抜いたんだ
君は「痛っ」と小さく叫び、そして
「ビャックション!!」と
大きなくしゃみをした
飛び散った唾の90%は僕が受け止めたのさ
それからだね
二人の愛が
急速に深まったのは

ロマンティック
その瞬間が
ロマンティック



自由詩 ロマンティックが止まらない Copyright 花形新次 2010-07-15 12:52:41
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