『紅い花』
東雲 李葉

想っても想っても あなたの影さえ踏めなくて
近づくたびに遠くなるよに 赤い瞳が見たいのに
暗い部屋へと消えていく背中をただ見ているだけしかできない
弱虫でごめんなさい あなたの幸せを祈ることしかできなくて
あなたに寄り添う女になりたい
同じ目線じゃ見えない景色を見せてあげたい
だから、時々静かに泣いてほしい

走っても走っても あなたはずっと先にいて
話す声は近くても遥かな残響 紅の中に触れたいのに
持ってるものは何でもあげるから 部屋中の灯りを点けて迎え入れたい
欲張りでごめんなさい 求めることばかりに貪欲で
あなたに抱かれる女になりたい
同じ色では交われぬ身体を逸脱して
どうして私は 私は

あなたに抱かれる女になりたい
もしくはあなたを紅い花にして
溢れる涙で育てたい 私が枯れて土になるまで


自由詩 『紅い花』 Copyright 東雲 李葉 2010-07-13 18:19:18
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