『紅い花』
東雲 李葉
想っても想っても あなたの影さえ踏めなくて
近づくたびに遠くなるよに 赤い瞳が見たいのに
暗い部屋へと消えていく背中をただ見ているだけしかできない
弱虫でごめんなさい あなたの幸せを祈ることしかできなくて
あなたに寄り添う女になりたい
同じ目線じゃ見えない景色を見せてあげたい
だから、時々静かに泣いてほしい
走っても走っても あなたはずっと先にいて
話す声は近くても遥かな残響 紅の中に触れたいのに
持ってるものは何でもあげるから 部屋中の灯りを点けて迎え入れたい
欲張りでごめんなさい 求めることばかりに貪欲で
あなたに抱かれる女になりたい
同じ色では交われぬ身体を逸脱して
どうして私は 私は
あなたに抱かれる女になりたい
もしくはあなたを紅い花にして
溢れる涙で育てたい 私が枯れて土になるまで