小川 葉

 
 
「ね」から
「ね」をとると
なんにもなくなってしまうから
かみさまは
「こ」をあたえて
そのどうぶつを
「ねこ」となづけた

「ね」がなくても
「こ」がのこる

もともとねなしぐさの
そのどうぶつが
おとなにならないのは
そのためだ

ところであのひよろひょろと
くうにのびる
あのしっぽが
「ね」なのではないか

ときどき
わたしのひざにねをはって
クレオメの花を
咲かせている
 
 


自由詩Copyright 小川 葉 2010-07-12 23:20:33
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