過激詩 「草」
ソラノツバキ
増えていく 母親草 父親草
友だち草 恋人草
どぶ川の草
高校生の少女はまだ
規制されていたので
母親草を摘んでしまったけど
引っこ抜いた草の根っこは
きれいだったかもしれない
そんな事件から
時が経って
報道が終わると
すべてが終わった錯覚に陥る
信号無視をするおじさんは
子どもがいるのかな
家に帰ったら
何事もなく奥さんを愛すのかな
母親草もあの少女も
この社会という土で育ったってこと
みんな忘れてやしないかな
増えていく 母親草 父親草
友だち草 恋人草
どぶ川の草
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*ルビついているのは「グサ」です。
どうも読みづらいと思うので一応。