朝になって読み返せばきっと頭を掻きむしる、しかし本心
一 二

隣りにある
あなたの細やかな
可愛い手を優しく取って
眼を瞑って静かに
あなたの手の甲に接吻する…

あなたのたおやかな眼差しに
そっと心を合わせてゆく

身体は海の彼方の
無数の波しぶきと一つになって

荘厳な天上の歌声は
紅の波涛に重なって響いてゆく

私のそばで少女は
輝く光の姿を
大いなる畏敬とともに現し
我が胸の開かれた中へと
飛び込んでくる…

なんという歓喜
愛するあなたの暖かさ
歓びを超えた感情が
身体を溶かして
世界を充たす

白い薄絹を纏ったあなたは
そっとつまびやかに
優しく恵みを与え

私はあなたの残響となり
妙なる響きを奏でる
その輝くか細き指に
そっと自身の指を重ねる

二人の気配が一つになって
奏でる音は世界に響く

途方も無い優しさと悲しみを持って
切なき胸を抱きしめる

あなたの光輝は私に沈み
深く深く降りてゆく

そして世界に広がって行く
あなたという光の音楽が

大きく全てを充たし

血流の小波は
あなたを求めている

魂の震撼
愛するあなた…


自由詩 朝になって読み返せばきっと頭を掻きむしる、しかし本心 Copyright 一 二 2010-07-12 00:23:04
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