ひとつ めぐり Ⅱ
木立 悟






ひらき ひらき
また変わる
ひらき ひらき
変わりゆく


鉄に降る虹
坂をゆく午後
水をすぎる影
花や光や 曇をかかげ持つ


脱げば脱ぐほど
次の次の季
読み仮名を読み仮名に
言いきかせながら


明日の水を飲み
奥へ進む
入口はつづく
入口はつづく


陽をはたき 陽をはたく
音の粉が散り 地を照らす
昼をふちどる黒い宝玉
砂に砂に書き込まれる冬


ひとつの滴が
確かめるようにかたちを巡る
光が光ではないものと手をつなぎ
さえぎるものの前に進み出る


ひとつまたひとつと確かになり
暮れの逆へ逆へ傾く
眠りに埋もれ眠れずに
晴れてゆく晴れてゆく夜を見つめる


光が光に分かれてひとつ
音の無い暮れ 滑らせひとつ
網目の艶に捕らわれる虫
水の音の裏 言い当てる































自由詩 ひとつ めぐり Ⅱ Copyright 木立 悟 2010-07-05 20:39:59
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