七月一日
塔野夏子

窓枠は白く
午後のものうさの
界面に浮かんで

俯く薄紫のアガパンサス

灰色の雨の空を
半透明の船が
ゆっくりとよぎる

丘は遠くに緑の横貌を見せて

そのさらに遠く
おそらくは真夏の方角に
きららかな音符たち――まだその気配だけ





自由詩 七月一日 Copyright 塔野夏子 2010-07-05 20:20:06
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