ハミング
rabbitfighter
隣に人間が寝ていて、息が湿っている
肌は暖かく、やはり湿っている
いったいどんな物語が、僕たちを語るのだろう
ページをめくり、終わりの行を先読みしたい衝動に駆られる
それは終わりを予告している
だから悲しみが物語をハミングする
悲しまないで、君は
誰かが僕を壊してしまえばいいのに
人間たちが、人間たちが、舞台の上で歌っているのを見る
声をそろえて、それぞれの声を重ねて
僕は心を打たれてしまう
悲しみが合唱に、溶けながら歌うから
あまりにもきれいで、天国みたいにきれいで
月明かりみたいに、
静かで、
ぬくもりも、
しめりけも、
遠くで、
今は遠くで、