毒がす
R.F.
おとうさんとおかあさんが
体をすこしずつちぎりあわせ
ぼくは生まれました。
二子三子四子五子
きょうだいが集まってきます。
せまいぼんべの中にとじこめられきゅうくつです。
一人二人三人四人。
すこしずつ出ていったきょうだいたち。
そのたびにちょっといやなひびきのする歓声がわきおこります。
ふわふわ、ふわふわとしながら。
ぼくらの周りのひとたちはうれしそうです。
ぼくらの周りのひとたちは、うれしそうです。
次はぼくのばん。
はじめて外にでて、かぜのながれにのってすいこまれていきます。
はいのすきまに入りこみ、ちのながれにのって。
やがてちやにくに溶けこみます。
自分が自分じゃないようなきがします。
すっかりとけこんでしまったとき、ぼくはぼくの役割を終えます。