冬のおしまいの晩のうた
草野大悟

美しい鳥が一羽
夜ふけの空にとび立ちました
静かな町の
屋根の上の空は むらさき

ちいさな女の子の
夢の中に
白い雪が降りました
羽のように白い雪がほんの少し

冬はもうおしまいです
おかあさんは、縫いあげました
女の子があす
遠足に着ていく春の服を

冬はもうおしまいです
おかあさんは微笑みました
窓をあけて ほっとひといき
見上げた空は みずいろ


自由詩 冬のおしまいの晩のうた Copyright 草野大悟 2010-07-04 22:39:58
notebook Home