考える
鵜飼千代子

             考える 考える
             君のことを考える
             君について考える

             油断していた
             完璧にわたしのミスだ

             考える 考える

             おしゃべりな女は うるさい
             我慢する女は 手がかかる

             考える 考える

             どうして欲しい
             なにをして欲しい
             何も望まない
             そうだよね

             望まなくていいよ
             勝手にあげたいのだから

             考える 考える
             暗闇で 考える

             月も星もいらない
             ましてや太陽など
             暑苦しい だけだ 

             考える 考える

             いま君が泣けるのは
             いま君が笑えるのは
             いったい何か考える

             抱きしめてしまえばいい
             できない距離が疎ましい

             考える 考える

             話したくないのなら 黙っていればいい
             逃げたいのなら 逃げてもいい
             君にまがい物の真珠では駄目だと
             それくらいはわかっている だが

             考える 考える
             君のことを考える
             君について考える

             何が欲しい


             気を充填し 君に落す




        1997.10.23.    YIB01036   Tamami Moegi.  
        初出    NIFTY  SERVE  FPOEM


自由詩 考える Copyright 鵜飼千代子 2010-07-02 18:19:51
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