僕のあやまち
朧月

学問ではなく
経験でもなく
喉の渇きをただ癒すためでもなく
僕は君の元へいそぐ
言い訳したくはなくて

君はたぶん泣いている
それはそれで困るのだけど
君が笑っていると僕は
もっと困ると思うんだ

僕はなにももたないことを
恥じたり当たり前に思ったり
自分の中では結構前から
居心地よかったりしてしまってた

君は問うような瞳で
なにもしようとしない僕をみたね
僕は一生懸命君の
その瞳から逃れようとした

無駄なのにそうするしかなくて
無駄なことをしていると安心だった
無駄だって君がいってくれなくて
僕自身は無駄になってしまった

君はどうか泣いていて
僕のためでも 僕のせいでもなく
君の涙は僕の
僕の心を僕にもどす

そうドアをあけたとたん
きっと泣くのは僕なんだよ
そんな僕の背を君は黙って
ぐうにした手で殴るんだ



自由詩 僕のあやまち Copyright 朧月 2010-07-01 23:00:11
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