迷子
たもつ

 
 
わたしが金魚の頭を
撫でているころ
ぼんやりとした扇風機は
薄暗がりの中で首を振り
幼い子どもが一人
どこかで帰る家を探している
ここだよ、と言っても
それはきっと
ただの声にしかならない
扇風機の風が当たる
と、わたしの身体は
人の形を思い出す
 
 


自由詩 迷子 Copyright たもつ 2010-06-29 22:40:10
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