ファック!母乳戦争
瓜田タカヤ




遠い場所にある希望は劣化して金をつくる
逃げ遅れた肉体の悲鳴は劣化して誰にも聞こえない
言葉で愛を語れるなら詩人はすでに存在しない
美しい空はまるで誰かの比喩に感じ憔悴でのどが渇く

殺し殺され入れて抜いて疲労はまるで感情的で
満たされたコップに入れるコインにはイカサマがいるの
弾かれた僕らの未来は誰もが自然に眼を覆い
美しいアヒルは胸を押さえて呼吸を確認した

何を守って生きていくとか何を信じて生きていくとか
そんな場所にさえまだたどり着けず
ただ知ってる事実は
君を抱きしめたいだけの世界にさえたどり着けないだろう未来予想図

労働は僕を殺し自由は愛する人を殺す
それでも生きていくために命が必要だから
僕たち敗北宣言しせめて大切なものだけは守ろうと
脳を切り売りしながら臓器を提供しながら
クリーム色の背骨を
信じていない神様に預ける

ここに大量のお菓子の家がありますよとブルジョアがつぶやく
そこに口を閉ざしてクッキーのかけらを落としながらたどり着いて
笑顔で夜景が美しいと言いその光を見下してると
いつの間にかクッキーのかけらは鳥の餌になり戻れなくなった

世界は利己的に象られていて弱虫は殺されてしまう
これが弱肉強食ですよと独裁者の側近は吹き込む
皮肉じゃなくて面白い事はこの世に一つしかなくて
だらだらと君を愛している頭をきれいに蹴られる世界だって事

気持ち良すぎてよだれが垂れ落ちるロり顔の変態性癖とか
汗みどろになって安く使われる人間の欲求とか
君を知りたいと本当に思っているのにうまくいかない基地外の葛藤とか
ライブチャットで時間を引き延ばす美しい女の動機とか
ギャンブルでどうしようもなくなってロープが頭をかすめる30歳とか
地球をエコにとかしゃべって実際なんとかしようとしてる斜めの雰囲気とか
仕事がないだけの性格の悪い奴とか
欲求で弱者を踏みつける奴らの葛藤のなさとか
遠く離れて時がたち変わってしまった君と世界とか
幸福実現する宗教にハマって正しいことをしゃべろうとする昼間とか
いじめられて一人体育館で遊ぶ子どもの少しだけの笑顔とか

少なくともその全部がある世界じゃないと
愛する君は
存在しないのさ

母乳戦争殺しあえ
きれいな母乳戦争
せめて
うおー
ころしあえ


自由詩 ファック!母乳戦争 Copyright 瓜田タカヤ 2010-06-29 01:52:19
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