疼き
乱太郎

「疼き」

わたしは女吸血鬼
逞しくばしっと叩くような男が好き
やるかやられるか
そのスリルがわたしを余計興奮させるのよ
でもね最近
草食系とか言って
わたしを見ただけで恐がったりしてね
燃えはしないこと
ああこの満たされぬ疼き
一度だけの逢引でいいのよ
波止場で出会ったあの時みたいに
今夜も男を求めて彷徨うのよ




     ・・・・・蚊




 「ブログ」

二〇◆☆年○月▲日
 
 僕は生まれた
 よく褒められる
 「この子は天使の生まれ変わりかしら。
  なんて美しいのかしら。」
 まさに千年の絶頂だ


二〇■△年◆月◎日

 引き篭もりの毎日だ
 たまに顔を出せば
 「悪魔のようだ。
 あいつに近づいたらもう逃げられないぞ。」
 もう二度と来るものか

二〇△●年☆月▼日

 なんとか大人にはなれたが
 目立たないよう生きよう
 透明人間になれたら一番いいけど
 トンボ眼鏡君が唯一の友達になってくれている
 よく首を傾げて見せるが
 どういう意味なのかわからん



    ・・・・ウスバカゲロウ


自由詩 疼き Copyright 乱太郎 2010-06-28 16:01:15
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