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ひち

恩を知らない癇癪持ちを
愛するなんて慈善運動は
所詮御伽噺であるのだろう

己に絶望 隣に諦め
高みが花なら 下は泥
傷んで往く末があろうとも
積み重ねた小さな石は
この夜が来るまでに
十分過ぎたのだ


音は赦されない縄になる
定期的な偽善運搬者
優しさはお金で買えますか

前から微笑み 背中で罵倒
光が歪んで 陰に潜んだ手招き
廃れた規定により不良品は
返品も利かず棄却は犯罪
周りの眼が厳かに
終を唱える時までは
十分過ぎたのだ


蜘蛛の糸を見てしまった
私が眩暈を起こし
雲の切れぬ間に雪崩た
私を突き落とす要素には
十分過ぎたのだ


自由詩 paper Copyright ひち 2010-06-27 10:27:07
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