世界中の恋人たちは沈黙した片割れに大丈夫?と訊ねる
プテラノドン

世界中の恋人たちは沈黙した片割れに大丈夫?と訊ねる
そして、世界中の野良犬たちは沈黙を嗅いでまわる。
夜中になると祖母は、お前が死ぬ夢を見たと言って僕を揺り動かすが
仕事でくたくたの僕は死んだように眠っていたので
かつて揺りかごを揺り動かしていたその手で平手打ちする。
時は残酷だ。目を覚ました僕は、祖母が眠った後で
財布から千円札を抜き取って家を出ていく。
おかげで財布は棺桶のように冷たい。暖かい所へ行こう。
世界中の恋人たちを見習って。


自由詩 世界中の恋人たちは沈黙した片割れに大丈夫?と訊ねる Copyright プテラノドン 2010-06-26 23:06:15
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