悠希子
中原 那由多

ありきたりな時間を刻む
虚像は実像よりも鮮明

ここから貴女に手を振った
見えていないと知りながら
一生懸命手を振った

小さな子供が「こんにちは」と言ってくれた


貴女は脆い人
気が付けばいつも現実逃避
それなのに消え失せてしまわないのは
壊れてもすぐに再生してゆく
そんな自分が大好きだから


悠希子、気持ちを言葉にするのが苦手な子

悠希子、泣き方を知らない子

悠希子、ウタうことが大好きな子

悠希子、本当は素直な子


一人ぼっちが痛い気
手を差し伸べられない不甲斐なさ
近くて遠い貴女の姿
見守ることしかできなくて
遠回しな言葉を綴る


2009/08/28



自由詩 悠希子 Copyright 中原 那由多 2010-06-25 09:05:46
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