乱太郎


灰色の向こうから垂れた糸が
わたしのさらけ出した肉体をなぞってくれる
何千もの指が触れていくように
ひとつひとつわたしの感情に絡まって
蜘蛛に食べられてもいい
今はわたしなんか身動き一つ出来ないのだから
乾きかけた苛立ちを浚ってくれる
見えない向こうに囁く
糸は頷いてわたしは繭になる


自由詩Copyright 乱太郎 2010-06-24 13:29:09
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