詩集を自費出版したよ その1
ふるる

ある日、詩集を作ろうと思い立ちました。動機は単純で、同人の方がほとんど詩集を出していてうらやましいのと、書き始めて6年くらいたったので、区切りとして出してみたい。ということなどです。
以下、日記風にことの次第を書きます。長いので注意です。興味のない方は、事務的なことが書いてある「詩集を自費出版したよ その2」http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=212887に行ってくださいね

2009年 6月〜8月

詩集を出す気持ちになる。
色々調べ始める。
自費出版のサイトを色々見る。
すると、オンデマンド印刷・オフセット印刷という言葉に出会う。
オンデマンド印刷の方がオフセットよりも多少劣るらしいですが、少数発行の場合はオンデマンド印刷が主流みたいです。値段が全然安いから。小額自費出版が可能になったのは、オンデマンド印刷ができるようになったためらしいです。
オンデマンドはデータ→印刷機→印刷という流れ、オフセットはデータ→原版→中間転写体に転写→印刷という流れです。

お金もないので問答無用でオンデマンド印刷にする。

・本のサイズ
サイズは色々ですが、私が持っている最近発行の詩集たちを見ると、B6かB6より気持ち縦長の四六版が主流みたい。うーん、どっちにしよう。

・文字の向き
初めは「詩集っていったら普通縦書きだよねー」と思っていたけど、ネットに横書きで出した詩は、縦書きにすると、なんかヘン。なので、横書きにすることに。しかも、横書きの方が行がいっぱい入るじゃないですか。

・仕様
ハードカバー、ソフトカバー、カバーありなし、帯ありなし、と色々あるけれど、ハードカバーは高いのでソフトカバーに。

・表紙
会社によっては、見本の表紙しか選べないところもあるけど、自分で作りたいので、そういうところにする。

一応、だいたいの形は見えてきたので、詩を選ぶことにします。

あと、詩集を作ったら?と背中を押してくれた人が、ブログを本にするという所で、詩集を作り、見せてくれる。作ると言ってからものすごく早かった!(これを見て、横書きもぜんぜんありなんだなー、と分かりました)
オンデマンド印刷だけど、まったく遜色ありません。オフセット印刷は多分、絵とかそういうのの印刷でものすごい鮮明さが要求される本のためのものなんだなー。
あと、「作ったら国会図書館に納品したら?」と言われる。調べると、国会図書館に送ると納めてくれて、本の代金ももらえるらしい。ほほ〜知らなかった〜。


9月〜10月

今までに書いた詩が大量にあって、ぼう然とするけど、頑張って読む。
しかし、どれを選んだらいいのかよく分からない。
どうやら、何のために誰のために詩集を出すのかちゃんとしてないからみたい。
色々考える。
一応結論が出る。
好きな人に読んでもらえるもの、あんまり詩に親しんでない人にも読んでもらえるもの、あと、自分が読みたいものってことで!


・部数
詩集は売れないというのは実感しているので、100部は作らないと思う。
見積もりによれば、150ページで30部130000円、50部138000円(税別)見返しや表紙の質により、値段は高くなるらしい。
一冊1000円とすると、全部売れても100000円持ち出しです。
全部売るってことは絶対ない(謹呈された詩集多し、その方にはもちろん謹呈でお返しする)し、まあ、お金のことは経験代と思って割り切ります。
がしかし、何のために10万もかけて詩集を作るのか、よく分からなくなってきます。そんなら、詩集を10万円分買った方が世のため人のためになるのでは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とか思いましたが、やっぱり作りたいので、作ります。

・お金のこと
独身時代にためたのがあるけど、法律上は夫婦の共有財産となっているので、使っていいかダンナにお伺いを立てる。別にいいんじゃないの。だそうです。


11〜12月

とりあえず、気に入っているのをどんどん抜き出していく。
60個くらいあった。
全部打ち出してみる。120枚くらいになる。
それを、テーマごとに分類してみる。テーマだけでも10個くらいになる。
どこのテーマにも入らない詩が色々出てくる。
それに合うようなテーマをまた考える。いっそ「?」というのでもいいけど。
印刷物としてはいまいちな詩が見えてくる。(印刷物として、というかクオリティがいまいちなのでわ・・・)
しかしこの作業、見れば見るほど全てつまんない詩に見えてきて、気力を奪われますねー。(というか、ほんとうにつまんない詩ばっかりなのでわ・・・)

どうしても縦書きじゃないとダメなのがあるので、縦書きのも入れることにする。
出版社の人にメールで聞いてみる。「どっちも表紙で、右開きで縦書き、左開きで横書きというのは可能ですか?」
可能ですとのお返事を頂く。奥付は真ん中に入るらしい。ISBN番号は表紙のどこかに入れることになるみたい。

・題名で悩む
本だったら、書名が必要なわけです。・・・・・・まったく浮かびません・・・・・・
みなさん、どのようにして決めているのでしょうか。多くは、詩集に収められている詩の題名を書名にもする、というのですが、書名になるような題名の詩がないっす。


2010年 1月〜

年を越してしまった。
縦書きを打ち出すと60ページにも。横書きと足したら180ページ。だいたい、何ページくらいが普通なのかな?というか値段との兼ね合いですよね・・・。でも・・・そんなにいっぱいあっても読む気がうせちゃうかも。
他の方はですねー、大体100ページくらいですかね。ダーザインさんのは特に沢山ですが。
ダーザインさんはいいのよ。クオリティ高しだから、いくらあっても・・・。

ダンナと詩集のことについて話していて、「どういうの作りたいの?」と言うので、
「例えば、ぱらっと見た人が、おっ面白そうだね!とか、楽しくやってんだなーとか、思えるようなやつ」と答えました。
その時、「そうだ!せっかく自分が作るんだから、もっと自分らしいものを作らなきゃなあ。人がびっくりしなきゃ、私の詩集じゃないね!」と思いました。
別にドッキリが好きというのではなく、、、私が詩を書く動機のひとつに、「もっと好きにやっていいんだよ!」ということを言いたい、というのがあるので。
せっかく作るんだしね。もう作らないかも知れないし。


2月〜

ページ数が多すぎるので、さくさく削って行きます。漫画を入れようと思い立ち、前に書いたやつを清書します。めんどいな・・・。
それでやっと150ページだ。まだ多いか。あとがきも書いてみる。なくてもいいんじゃないと思うけど、感謝の言葉は述べたい。
自費出版会社に、詩集の見本を送ってもらう。3冊きた。だいたいのイメージがわきますね。

3月〜

原稿を減らしていくうち、当初考えていたカテゴリー分けもだいぶ違うことに。でも、だいたい順番も決まってきた。
ダンナに原稿を見せたら、「もっと漫画入れて」というお願いが。どこに?何を???
「じゃないと、俺みたいな(詩を読まない人)は読まないと思う」だって。そうかな・・・。まあ、描いてみてつまんなかったらやめればいいか。
描いて、まあよさそうなので、入れてみる。ちょっと線が単調すぎるので、わざとぼこぼこにしてみた。失敗か・・・。表紙も考える。だいたいこんな感じ・・・というのを。

4月〜

本の題名も決まり(結局、詩の題名からとった)やっと原稿が出来上がったので、自費出版をしている会社と契約をすることにする。見積もりをお願いした時、対応がよかったBOOK工房というところ。原稿のデータを送る。それを元に契約書が作られる。封書で届いた契約書を確認し、書名捺印、前金として半額払う。
うちでスキャンしたデータではダメとのことで、漫画の原画を送る。表紙の原画も送る。

5月〜

目次見本が送られてくる。こちらの意図をちゃっと分かってくださっていて、安心する。
文字体の見本も送られてくる。3種類あった。一番普通ぽいのにする。乙女っぽい感じのもあった。初校・再校をする。誤字・脱字がどんどん出てくる。いつまでやっても出る。大丈夫か。
表紙も、私が考えたのを少し加工したりしたものを何案か送ってくれた。プロはさすが。バランスもよいです。BOOK工房さんは何か、本に対する愛情を感じますね。
ページ番号の場所や、レイアウト・文字の大きさなど指定する。ページごとに色々細かく指定したけど、全部やってくださる。いい会社さんです。

6月〜

見返しの紙のぶ厚い色見本帳が来たので、色を決める。一晩悩んだ・・・。
FAXで最終確認のページが届く。これでOKを出して、残りの半額を振り込んだら、いよいよ印刷だそうです。
数日後にメールで、「表紙の印刷が終わりまして、これから本文の印刷にかかります。」と。
逐一状況を報告してくださる、いい会社さんです。

6月某日

つつつついに!!!届いたよ!!!
わーい。できたよ〜(^0^)

その2に続く。(続くの!?)


散文(批評随筆小説等) 詩集を自費出版したよ その1 Copyright ふるる 2010-06-24 11:18:34
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