湯楽の里にて 
服部 剛

仕事に疲れた重い体を 
露天風呂に、沈めていた。 

天使みたいな女の子が 
裸のまんま駆けて来て 
けっつまづいて、膝を押えて 
半べそ、かいた 

若い父さんがやって来て 
逞しい両腕で 
小さい天使を包みこみ 
赤く腫れた膝小僧に、キスをした 

今頃、隣の女湯で 
背中を流している君の 
天使の頃を、思い浮かべる僕は 

露天風呂に沈みながら 
畳んだタオルを頭にのせて 
少々のぼせておりました・・・ 








自由詩 湯楽の里にて  Copyright 服部 剛 2010-06-24 00:03:24
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