カミヒコーキ
くなきみ
やっとアイツから離れることができた
アイツが憎くてたまらなかった
アイツは俺の心を折ったり
傷付けたりして楽しんでいた
幾度となく硬い地面に叩きつけられ
そして俺を罵った
俺は今高く空に放たれた
アイツからどんどん離れていって
俺は自由になった
もうアイツの手の届かないところに
俺はいるんだ
俺は独りになった
憎いアイツの姿が見えなくなって
なのに俺は何故こんな気持ちなんだ
見慣れぬところまできて
俺は今心細くてたまらない
あんなに憎かったアイツの顔ばかり
思い浮かんで
それが嫌で仕方がない
もう俺で遊んでくれる奴が誰もいない
俺のことをカミヒコーキと呼んでくれる奴が
誰もいなくなった