ナルキッソス
umineko

私の中には
無垢な少女も棲むだろう
あざとい人買いも棲むだろう
まっすぐな少年がいる
うそぶいた門番も

近道はどこ?
不機嫌に
ことばを探す
浮浪児の目で

ナルキッソスの夕陽がおちた

あなたが
その小高い丘で
奇妙なダンスを踊る時
わたしにはわかる
いつかふたりはあの湖で

自由
花弁はしっとりと濡れ
私は
どんな私であればいいのか
そんなことを考えながら

あなたに映った
私を抱いている

  



自由詩 ナルキッソス Copyright umineko 2004-10-11 10:32:59
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