夏至
伊織

昼間の長さがピークに至ったので
誰も皆名残を惜しんで西の空を眺める
赤い夕焼けの感動は共有され
触発された誰かが振り返る

そんな流れに気づいて
慌てて家の窓に向かい
雨戸を開くと
空はもう紫も通り過ぎてしまった


これから
やはり数多くの家々で
電気を消して
キャンドルが灯されます
それはきっと
夜の短さを識るためであり
昼間の記憶を掘りおこすためなのでしょう


自由詩 夏至 Copyright 伊織 2010-06-21 20:03:43
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