夏の風
月乃助

四つ角に生まれた風が
光になって踊っていました
六月の紺碧 空の下
オークの木のどの枝たちも みな夏に呼応して
新緑に色づく

私は、これが最後だと思うのに
あなたは、いつも明日を口にする
普通でいることが、一緒にいればこんなにも難しい

青空の隅に消せないまま 光/影が生まれた
雲のわずかなすき間から こぼれるような
うつろいすぎる夏の陽射しが眩しくて 手をかざし、

老人の腕さながら皺だらけの枝下に
夢から覚めた私が立っている

目を閉じても
消すことなどできないのだから
それでも、生きていけるのだと
信じてみたくなる

すべてを押しやり
残ったものにいつまでもすがり付いて
安住の場所だと自分に言い聞かせてきた
あらわれる位相での変遷

どの道に従うのですか
恐がってばかりいては、先になど進みようもない
立ち上がるその時は、
まわりを気にすることも
なくなっているのです 

六月の陽の光りを ネオンにして、
心に灯しましょうか
プラグ In

もう今は、そんなことをしても
許されるのですから






自由詩 夏の風 Copyright 月乃助 2010-06-20 06:03:11
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