Rain
黒乃 桜


前世の私は花を愛でていた
そんなフリをして無機物を愛していた
それでもそこそこ幸せだった
不味い躯も美味しいと言われた

来世の私は何をしているんだろう?
理不尽な事を言ってるかもしれない
それでもそこそこ幸せかなぁ
不味い躯なことは間違いないけど

私は今 歌って 歌って
したい事なんか幾つもないけど

きっと 前世の私は
こうして歌うことを夢見ていた

もしもこれからタイムマシンが産み出されるなら
私は来世も生まれてくるわ

「どうだい?」
無機物を愛すしかなかった彼女に

「どうだい?」
微笑んでやりたいんだ
歌って あげたいんだ

その窓を叩きわってやりたいんだ!


「Rain rain fall and rain rain fall, and fall」


前世の私は黒い傘を持っていた
それをステータスとしてたけれど
本当はレースの日傘を持っていたかった
不味い躯も着飾りたかった

来世の私は何をしたいだろう?
まだ適わない事を夢見てるの?
本当は 本当は を呟いて
不味い躯を傷付けたりするの

私は今 歌って 歌って
やりたい事って思いつかないけど

きっと 前世の私は
こうしてレースの服を着たかった

もしもそのタイムマシンが3億円するなら
私は来世で宝くじを買うわ

「どうしたい?」
日傘を持てなかった彼女に

「どうしたい?」
叫んでやりたいんだ
歌って あげたいんだ


その開かないドアを開けてやりたいんだ!


「Rain rain fall and rain rain fall, and fall」

「Rain rain fall and rain rain fall, and fall」

「Rain rain fall more!」


もっと降ってよ!




自由詩 Rain Copyright 黒乃 桜 2010-06-18 16:36:30
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