ともかくも泣け
朧月

泣け
なにがあったか言わないままに
泣け
きかずともよいだれの言葉も
泣いていればよい
悲しくなくとも

生きた
生かされた
産み落とされたなら

どんな叫びでもかまわないのです
あなたの声がだれとも違っても
線のような命の息を
続く限り吐き出して

不透明な文字のありかを
体内に探すことはないから
生まれた頃の自分の声を
遡って掴み取れ

泣け
ともかくも泣いて
深い場所へおりたてば
意味ではない生命の
熱を感じ取るだろう



自由詩 ともかくも泣け Copyright 朧月 2010-06-13 18:58:06
notebook Home