我の大河
朧月

なにもない場所で生まれる言葉は
なにもないと思える私の中の歴史

かじっただけのアイスみたいな安価な
浅い浅い川の底にある小石みたいな

それでも私には捨てられない石

生まれたときからもってなかった
生まれたときからもっていたこと

ぜえんぶ捨てたいときもあったし
ぜえんぶとられたくないときもあった


なにもない場所にいるように思う
なにももってない私であると思う

そうでないなんて言われなくていい
さらら さらら 流れる川 
私の
きっしりつまっていた小石の数に
うっとりするよな感情を

なにもない場所だからこそ噛みしめた
なにももってなかったからこそぼんやり見つめた



自由詩 我の大河 Copyright 朧月 2010-06-12 17:33:39
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