わたしとくじら
美味
想像していたより早く目が覚めてしまったから
思い切って起きてみた。
いつもの半分も寝ていないけど
髪型がいつものようにボンバーヘッドしているだけで
それ以外に変わったことなんて。
いえば、
国語の授業でやって以来、一度も興味すら持ったことの無い
詩を書こうと思い立ったことと
昨晩は、死ぬほど死にたかったことを思い出した。くらい
カーテンからの遮光で部屋の電気をつけなくても分かる部屋の惨状は
外でちゅんちゅん鳴いている小鳥の鳴き声と妙にマッチして
本当に何となくだが、アーティスティックな風景に見えないか?
ほら、あの壊れたTVのリモコンなんて、まるで…ねぇ
部屋を片付けることを考えたら、現実逃避してみたくなった
誰も来ないし、このままでもいいかななんて。
いえば、
ねぇねぇくじらさん
あなたはどうしてそんなに大きいの?
海の底って暖かい?
ひとりで泳ぐのは寂しい?
でも、同じ空気を吸って生きているのね、私とおなじ
早起きしたせいか、もう眠くなってきた
次に目覚めたときには、詩を書こうと思ったことも
あんなに死にたいと思っていたことも全部忘れて
お腹が空いた、なんて。
思うんだろう