わたしとくじら
美味

想像していたより早く目が覚めてしまったから
思い切って起きてみた。

いつもの半分も寝ていないけど
髪型がいつものようにボンバーヘッドしているだけで
それ以外に変わったことなんて。
いえば、

国語の授業でやって以来、一度も興味すら持ったことの無い
詩を書こうと思い立ったことと

昨晩は、死ぬほど死にたかったことを思い出した。くらい

カーテンからの遮光で部屋の電気をつけなくても分かる部屋の惨状は
外でちゅんちゅん鳴いている小鳥の鳴き声と妙にマッチして
本当に何となくだが、アーティスティックな風景に見えないか?

ほら、あの壊れたTVのリモコンなんて、まるで…ねぇ

部屋を片付けることを考えたら、現実逃避してみたくなった
誰も来ないし、このままでもいいかななんて。
いえば、

ねぇねぇくじらさん
あなたはどうしてそんなに大きいの?
海の底って暖かい?
ひとりで泳ぐのは寂しい?
でも、同じ空気を吸って生きているのね、私とおなじ

早起きしたせいか、もう眠くなってきた
次に目覚めたときには、詩を書こうと思ったことも
あんなに死にたいと思っていたことも全部忘れて
お腹が空いた、なんて。
思うんだろう







自由詩 わたしとくじら Copyright 美味 2010-06-07 08:06:15
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