ため息
小川麻由美
ため息よ
消え去ってくれないか
私を煩わせるものたちの
絶好の餌となり
増幅させてしまうではないか
煩わされるなんてまっぴらだ
早々に立ち入り禁止区域から
立ち退いてくれ
私の体は鉛となり
ベッドに食い込んでいく
それ以上沈み込む
恐怖から逃れるために
無理やりベッドから逃げ出す
深呼吸を繰り返す
過呼吸にならないように
細心の注意を払う
あざのようになった煩わしさは
見るたびに形を変えている
数も増えたようだ
ぞっとした私は
そのあざが見えないように
目をそむける
だが再度ため息の
ループに入り込む