行儀見習い
朧月

私が星をすきだというと
触れにゆこうとあなたが言った
高い山にゆくでもなくて
広い海にゆくでもなくて
そこの川に連れて行く

私が月が見たいというと
君にあげるとあなたが言った
夜の外にゆくでもなくて
部屋の窓辺に立つでもなくて
まあるい月の絵をかいた

喉が渇いたとあなたがいうから
これをどうぞとあなたに言った
綺麗なビンにはいった水が
ゆらゆらゆれてる絵画です

おなかがすいたとあなたが言うから
召し上がってとあなたに渡す
昼間私が焼いたクッキー
に見えるかしらの黒こげの菓子

あなたは少し悲しげに
うまくおなりと言いました



自由詩 行儀見習い Copyright 朧月 2010-06-05 21:06:10
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