行儀見習い
朧月
私が星をすきだというと
触れにゆこうとあなたが言った
高い山にゆくでもなくて
広い海にゆくでもなくて
そこの川に連れて行く
私が月が見たいというと
君にあげるとあなたが言った
夜の外にゆくでもなくて
部屋の窓辺に立つでもなくて
まあるい月の絵をかいた
喉が渇いたとあなたがいうから
これをどうぞとあなたに言った
綺麗なビンにはいった水が
ゆらゆらゆれてる絵画です
おなかがすいたとあなたが言うから
召し上がってとあなたに渡す
昼間私が焼いたクッキー
に見えるかしらの黒こげの菓子
あなたは少し悲しげに
うまくおなりと言いました