部屋の電気は消したまま
小林 柳

暗くなる部屋
冷たくなった風が吹き込み
レースのカーテンが揺れた
僕は床の冷たい場所を探し 寝返りを打つ
遠くの雷のように 飛行機の音が響いている
今日はもう外へは出ないだろう
夕食の匂いを嗅がないように
点滅する電灯を見つめないように
戸の軋む音がまるで僕の音みたいだ
使い古されて歪んでしまったのだろう
あるいは始めから間違っていたかもしれないが
すぐに雀の鳴き声も聞こえなくなり
郵便を届けるバイクの音も消えるだろう
そして一日が終わる
昨日と明日が確実に過ぎていくように


自由詩 部屋の電気は消したまま Copyright 小林 柳 2010-06-05 17:46:05
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