忘却
乱太郎



忘れてしまった
君の声は
天使の羽根になって

触れたはずの
君の髪は
星空をすうと流れて

あの頃の時間は
ガラスの破片となって
静かに波の音だけが聞こえてくる

会うことは
もうないだろう

僕はいま
たぶん君ではない天使の膝上で
眠りについている


自由詩 忘却 Copyright 乱太郎 2010-06-04 09:46:00
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