フィールド
プテラノドン

日が沈み時計の針が急速に冷えると、もう帰れと時報が鳴る。
ドアを閉める音、乱暴に踏み込まれたエンジンの音もある。
客にクレームをつけられた車屋の友人は、ガレージ脇に立てかけられた
サンドバック同然の、廃材ドアを蹴っ飛ばす。

強烈なライトに照らされた新幹線のボディが、流線形のシルエットで
走り去っていくのが望める打ちっぱなしのゴルフ場。その二階で、
僕らはおよそ不釣り合いなクラブを手にしていたが、
三十分ももたずしてボールを手で投げ始める。

歩道橋の上から、コンビニで買い集めた卵パックを
ボンネットめがけて卵を放り投げていたあの頃を
思い出しながら、反古にしようと励む一日。別の人生のイメージ。
グリーンに散らばる卵の殻と、そのフィールド。



自由詩 フィールド Copyright プテラノドン 2010-06-02 23:37:40
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