星の夢のおわりに
ゆるこ

伸びきった髪の毛を
掻き混ぜる掌の
温もりの中に
まどろんだ
あなたの瞳を
感じていた

シクラメン揺れる
窓辺に潜む
いびつな死神が
盲目を笑っては
光に溶けている

私は
つまらない詮索を
やめ
指先の光を
奇跡と唱し
暴力を
やめ
睫毛の中の海を
泳ぐことを
はじめようと、思う

すこしも存在しない
感情を
叩いては
茹だり
うだっては
隔たれる
私の
シャッターは
あなたにだけ
渡せる


星の夢のおわりに。


子守唄を聞かせたい
すべての悲しみを
飲み干して
まどろんだ瞳を
転がしたい


星の夢のおわりに。


ガラスのなかに
閉じ込められた
本当の笑顔を
見つけたい


空を飛ぶ
あなたの瞬きが
産声をあげながら
朽ちて、いる

それは
幸せを
捧げた瞬間で
あり

指先の奇跡が
生まれた
瞬間でも
あるのだから


振り落とされた
私の
肌が
すこしでも
あなたを
包みたい


星の夢のおわりに

囁きあう
おわかれのことば。



自由詩 星の夢のおわりに Copyright ゆるこ 2010-06-02 10:21:56
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